「岐阜の玉泉堂酒造」2000/05/25(第8回)

 4月18〜19日に岐阜の玉泉堂酒造と滋賀の松瀬酒造にいってきました。

 4月18日に玉泉堂酒造にお伺いしました。名古屋空港まで社員の方が、わざわざお迎えに来て下さいました。名古屋空港より一般道を走りしばらく走って一宮インターで名神高速に乗り大垣インターでおりて1時間ほどで目指す養老町の玉泉堂酒造に到着です。

会社(蔵元ではなく)は、養老町の役場の真ん前に堂々と5階建てのビルが建っています。以前は1万石ほど造っていたのですが、現在は高級酒主体に4千石ほど造っています。醴泉ブランドとしては4百石ほどしかつくっていません。従業員数も3分の1以下に減らして会社としての体質改善をはかり、一方では醴泉の為の蔵を増築したり二百坪と二百五十坪の大型冷蔵庫を造るなど良いものを造っていくという姿勢がおおいに見受けられます。

造りの方では、自家精米100%で醴泉ブランドは、完全小仕込みで最大でも1500kgまでです。手造りで残さなければならない部分はそのままで、その他機械化できる部分は積極的に省力化をはかり人員の削減で浮いた経費をいいお酒を造るために使っています。

その結果として、最近の酒質の向上には目を見張るものがあります。酒米を良いものに変えたことも一因ですが以前より数段おいしいお酒に変わってきました。酒質が安定してきた分、安心して販売できますので消費者の評価もあがってきました。

一通り蔵を見学した後、社屋できき酒をさせてもらいました。その時社長の口からとんでもない発言がでました。現在、醴泉ブランドの最高峰として鑑評会にも出品している「蘭奢待」を否定する言葉を言い出したのです。「このタイプのお酒はあくまで鑑評会用であってけっして飲みたいお酒とは言えません。」この言葉を聞いて、私も大きくうなずきました。鑑評会のお酒は確かにすばらしい技術で造られたものですが、飲むためではなく鑑評会で入賞するのが目的で造られているので社長が目指す大吟醸の形とは違うとのことです。では、どんなものを目指しているのかと聞いてみると醴泉の純米大吟醸が今後の醴泉のいく道であるというのです。

たしかに私も純米の吟醸酒がこれからの主流になる予感がしています。今後この分野のお酒がもっと表にでてくることを期待して会社をあとにしました。

 次回は松瀬酒造をご紹介します。乞うご期待!!