「黒木本店」2003/2/25(第33回)

 2月2日、3日と「浜嶋酒造」で酒造り体験をしたのちに、宮崎県高鍋町にある「黒木本店」にお伺いしてきました。「浜嶋酒造」のある緒方町からは2時間半ほどで着きます。大分県から宮崎県に向かう国道326号線を走っていますと宮崎県の北方町で国道10号線と合流しますが、ここまで来ると日射しが違います。ホントに暖かいなと実感します。9時過ぎに出てぽかぽか陽気の中を快適にドライブをして11時半頃には到着しました。

 事務所で黒木社長や角上工場長にご挨拶をした後に、ちょうどお昼になったので食事をご馳走になりながら最近の市場の動向等をお話しました。途中、黒木社長は会合の為、退席されたので角上さんと加藤さんの3人でゆっくりいろんなお話を伺う事ができました。(とくに造りの事について)

 その後、加藤さんが「尾鈴山蒸留所」までご案内してくださいました。今までの道と違うので「どうしたのですか」と尋ねるとダム建設の為の新しい道路ができて遠回りになるらしいのですが、広い道路で20分ほどで着きました。以前は山道で狭い道路でしたのでかなり早いように感じました。

 「尾鈴山蒸留所」を一通り案内していただきましたが、ちょうど麦焼酎の造りに入っていましたので、常圧蒸留特有の麦の香ばしい薫りが工場内に充満していました。やはり焼酎は常圧に限るなと変に感じ入ってしまいました。この麦焼酎がどのような新製品で出荷されるかとても楽しみです。

 帰りに今回の訪問の最大の目的である「焼酎粕の処理場」に連れて行ってもらいました。今まであった「甦る大地」のたい肥工場の横に稼動したばかりの焼酎粕を使った「飼料プラント」がありました。これは高熱にも耐えることの事のできる「麹菌」を利用して水分を蒸発させて残りの粕の成分を飼料に変えるというものです。相当な投資金額になっているはずですが、焼酎粕を再利用して有機農法の為に役立つ飼料を生産するということは大手の蔵元さんがするならまだしも「黒木本店」さんのような小さな会社がすることは並み大抵の努力ではできないことではないでしょうか?

 黒木社長の唱える農業との共生を目的とした企業理念が形として現れた素晴らしい施設が完成したと思いました。その話の中で実際に「甦る大地」を使って土壌を改良した畑でできた野菜が使っていない畑の物とでは、味も出来映えも勝っているとの事を聞き感心しました。飼料は稼動を始めたばかりなので実際に出来上がるには一月ほどかかるということでした。

 見学を終えて事務所に戻ると5時を過ぎていましたので、事務所の方々が総勢でお見送り頂き「黒木本店」を後にして帰途に着きました。