「松露酒造へ行く」2003/12/10(第39回)

 11月9日の午後1時過ぎ黒木本店さんを後にして宮崎県最南端の都井岬のまだ先、鹿児島県との県境串間市にある松露酒造さんを目指します。通常ですと10号線を南下して宮崎市から220号線で日南市を経由して行くのですが、黒木さんのお話では東九州道の西都インターから宮崎道の田野インターまで行き、そこから日南市に出て行く方が早いと教えて頂いたのでそのルートで行くことにしました。

 降り出した雨の中、車が少ないのをいいことに東九州道を快調にとばしていましたら、前に「串間レンタカー」と書いたワゴン車が・・もしかして串間に帰るのだろうかと後ろをついて行くと、やはり田野インターで降りて日南市方向へ進みます。
この車について行けば間違いないと確信し、ひたすら後をついて行くと突然黒潮ロードと書かれた広域農道に入っていきましたので、どうしようかと一瞬迷いましたが、どうにかなるさという気持ちで追いかけていきました。

 結果、日南市街地を通らずに串間市まで行けて、時間もわずか1時間半もかからずに松露酒造さんに着くことが出来ました。あのレンタカーの運転者さんに感謝です。藏に着いて矢野専務にその事を話すとあのルートがやはり一番早いそうで、地元の方でも知ってる人は少ないとのことでした。

 着いて早々、藏の中を案内していただき、前回お邪魔した時には見ることの出来なかった芋焼酎の仕込を見学させていただきました。特に変わった造りも、凝った造りもしていないのですが、原料の芋に対するこだわりがすごいです。その差が味となって現れているような気がします。いくら造りが立派でも原料をないがしろにしたら果たしておいしい焼酎が出来るのでしょうか?

 松露酒造さんでは、麹は白麹しか使いませんし、瓶仕込でもありませんが焼酎はふくよかで柔らかくお湯割りでもロックでも楽しめる万能な焼酎に仕上がっています。やはり造りのやり方よりもその藏の姿勢が味としては、表に出てくるように感じます。どんなに良い造りをしても、それが味として現れなければどうにもなりません。いろいろ考えさせられる一日でした。

 帰り際に「今日の泊まりは?」と聞かれましたので、まだ決まっていませんと言うと近くのビジネスホテルを予約してくださり、一緒に飲みませんか?とお誘いを受けましたので、その夜はホテルの居酒屋で矢野専務と「松露 うすにごり」を堪能いたしました。昨年のもおいしいですよと言って、藏から、今年の新酒と一緒に持ってきてくださったので、利き比べてみました。

「松露うすにごり 15BY」は香りは良いものの、まだ荒々しいのでロックでいただきましたが、芋の香りが立って荒かったイメージも薄れておいしくいただきました。
「松露うすにごり 14BY」はじゅうぶん熟成しているのでお湯割りでいただきましたが、さすがに味はやわらかく、一年間という時の重みを感じました。好みとしては、香りは落ちるものの、味わいの点で「松露うすにごり 14BY」に多く手が出ていました。おつまみは、矢野専務がわざわざ前日に潜って取ってきたという珍しい貝を二種類もってきてくださいまして、その他には「サバやアジの刺身」など海の幸をたくさんいただきました。

 矢野専務、大変お世話になりました。ありがとうございました。