「沖縄 宮里酒造場に行く」2007/10/25(第73回)

 急遽、「泡盛」の造りが見学したくなり、それと沖縄にはずいぶん行ってなかっ たこともあり、友人と遊びがてら行ってきました。福岡からですと、パック旅行 でかなり安く行けることも分かり、沖縄行きのチケットを即購入しました。

 どうせ行くなら最高の蔵元を見たいということになり、四ッ谷酒造さんに「春雨」の宮里酒造場さんをご紹介いただきまして、見学してきました。

 大分から沖縄へは直行便がないため、福岡空港から飛行機に乗ることになります。朝8時頃大分を出て、2時間ほどで福岡空港に到着しますが、途中で何があるか分からないので、早めに出発して福岡空港でゆっくり時間を過ごしました。

 飛行機でわずか1時間半くらいで那覇空港に到着です。ちょっとお昼を過ぎた時 間だったので、まず空港で「沖縄そば(ソーキソバ)」を食べて腹ごしらえしてからレンタカーを借りてホテルに到着です。 

 (丸一日の空白ののち)

 お目当ての宮里酒造場さんには、午前11時にお伺いするということになっていましたので、遅い朝食を取り国際通り沿いにあるホテルから向かいました。国際通りからひめゆり通り(国道330号線)に入り南下して、那覇大橋を渡り、モノレールの「奥武山公園駅」を左折して、少し行ったところからさらに住宅地へ左折してすぐのスーパーの裏手に醸造所はありました。

 あまりにも小さな蔵でしたので、心配になりちょっと覗いてみたら、間違いないようなので、従業員の方に挨拶して、宮里社長がお見えになるのを待たせていただきました。お見えになってから、ご挨拶を済ませると早速従業員の方が、蔵の中を案内して下さいました。

 基本的に焼酎の蔵と全く同じといって良いものです。何が違うかといえば、2次の仕込がなく、すべて麹で賄う(仕込む)というのが大きな違いです。それと、白麹ではなく黒麹を使うということです。(本土でも黒麹は使いますが全てではありません)沖縄の場合、気温が高いのでクエン酸の発生がよい黒麹を使うことによって腐造を出さないようにしているということでした。

 蒸留器が横型であったりという、若干の違いはあったものの造りの内容は、理解できるようなものでした。ただ、麹の造り方に拘っていらっしゃるということでそれにより、熟成に耐えうる泡盛や早く飲めるタイプのものなどを、造り分けていらっしゃるそうです。

 社長の宮里さんは、とっても熱い人物でした。昔は桶売りしていたので販売先がなかったこと、納得いく造りが出来るまで、泡盛を発売しなかったこと、ご両親の沖縄戦からの復興のことなど、熱く熱く語ってくれまして、その言葉の中に引き込まれて時間が経過するのも忘れたほどです。

 さらに自製泡盛の試飲もさせていただき、新酒でも飲める泡盛と熟成によって、花開く泡盛の違いも丁寧に説明して下さいました。その説明を聞き、春雨がなぜこんなに評価されるようになったか判った気がしました。

 やはり良い蔵元さんに共通して言えることは、経営者が酒質に対して真摯であり非常に熱意があることだと思います。お金の勘定を先にするところで良いお酒に巡り会ったことはありません。そして従業員の教育が非常に良く行き届いているという、この2点が私が訪れた蔵元さんで感じた部分です。

 敷地内にあるマンゴーの実が成る頃、また遊びに来て下さいという言葉と従業員の皆さまにお見送りをしていただき、醸造所を後にしました。

     宮里社長、本当にありがとうございました。

 追記:沖縄は日中の気温が30度、夜になっても25度くらいと、まだまだ真夏の陽気でして、沖縄で飲むオリオンビールと泡盛の味は格別でした。