「廣木酒造本店に行く」 2010/3/25(第109回)

 2月15日楯の川酒造の訪問を終えて、佐藤さんに酒田駅まで送っていただき、15:31発の村上行き普通電車に乗り酒田を後にしました。余目で陸羽西線に乗り換えて、新庄経由で、本日の宿泊地山形に向かいました。

 途中内陸部は雪に覆われ真っ白な風景がひろがっていました。新庄に到着する頃にはだんだんと暗くなり、山形へ18:28に到着した時はもう辺りは真っ暗でした。


 翌16日廣木酒造本店に向かうため、山形駅から山形新幹線つばさで郡山まで行きます。途中の福島までは新幹線といっても普通の特急列車と変わり映えしないと思って乗っていたら、福島駅でMAXやまびこと連結するとやはり新幹線でした。(笑 福島駅からはあっという間に郡山駅に到着です。

 郡山駅でレンタカーを借りて1時間弱で会津坂下に着きます。今までは会津若松インターで降りて30分ほどかけて蔵元まで向かっていましたが、新鶴PAのスマートインターチェンジが使えることが分かり、そこで降りると何と5分くらいで蔵に到着しました。知らないと損する事って多いですね。途中、パトカーに追いかけられびびりながら高速を走りましたが。


 11時半頃に蔵に到着し、座敷に通されてご挨拶を済ませてから、暫く廣木さんと酒質談義で盛り上がりました。面白いのは酒質の違いに感覚的な相違があることでした。もちろん好みは人それぞれですので、私にとっては重くないお酒も、廣木さんにとっては飲み応えのある味だそうです。でもこの感覚の違いをお互い解り合えるのが嬉しかったりもします。この線までは良いけど、ここを超えると・・・・みたいな話ができるんです。

 前々から感じていましたが、私の場合は結構しっかりした造りのお酒が好きなので、淡麗すぎるお酒は受入難いものがあります。その点で他の人と感覚が違うということは私自身も認識していました。

 それと別の話で老香(ひねか)に関することですが、私は歳を取ってきたせいかあまり老香が気にならなくなりましたが、廣木さんはそれに対して凄く敏感だということです。私が気付かないような香りも分かるようです。

 もちろん蔵元として出荷する以上は、老香のあるお酒など出せないというのは、当然なことだと思います。その感覚の鋭さってどこから来るのかな?

 しかしこういう感覚の違いって、お互いが納得した上で話すので、すごく楽しい話になります。ところが今の若い人は蔵に来ても酒質の話をしなくなったと言っていました。こんな話で盛り上がり気がついたら1時間半ほど経っていました。


 時間がないので慌てて蔵に行きましたが、設備に大きな変化はなく、新しい槽をもう1台導入していたのが大きく変わったところでしょうか。昨年も書いたかも分かりませんが、旧式の槽の形はしていますがステンレスで覆われた、コンピューター制御の最新式のものです。無段階に圧力が加えられるため圧搾の際に任せっぱなしで搾れるようになったので相当楽になったと話していました。

 この最新式の槽が2台あることで上槽が無理なく行えるようになったそうです。

 「製造量もだいぶ増えてきたので、10年後を見据えた設備を導入していく」と頼もしい言葉が印象的な今回の訪問でした。帰りに近くの食堂でお蕎麦をご馳走になり蔵を後にしました。ここは普通の食堂ながら蕎麦のレベルがものすごい!! 
           廣木さん、大変お世話になりました。