「浜嶋酒造編」 2011/4/25(第120回)

  黒木さんの所にお邪魔した翌日の3月19日、いつもの年ならすでに販売している「鷹来屋 特別純米おりがらみ 田染荘オリジナル」が前半の造りでは、納得の出来るお酒が無かったので造り後半にかけていました。浜嶋酒造さんへは、宮崎からの帰り道をちょっと寄り道すれば良い距離なので、あらためて1時間半以上かけて出掛けていくのもどうかと思ったので、浜嶋さんに利き酒出来るお酒は出来上がっていないかと尋ねると「あと2本搾りが残っているけど、良いお酒があがっています」と言うので寄ってみることにしました。

 お伺いすると後半で仕上がった特別純米が6本きき猪口に入って出てきましたこの中から「おりがらみ」にするお酒とタイプの違う「鶸萌黄(ひわもえぎ)」にするお酒を選ぶことにしました。前半のお酒とは打って変わり質の高いお酒ばかり
でしたので、これはこれで選ぶのも大変です。

 大きく分けて2種類の酵母違いのお酒がありました。どちらがどうと言うことはありませんが、一つはシャープな印象でもう一方はやわらかな印象を受けました。それでお酒はおりがらみにすると味の幅が広がるので、シャープな方の酵母のお酒を選びました。

 また鶸萌黄ラベルのお酒はやわらかな印象のお酒を選んでいたので、もう片方の酵母のお酒にしました。それとこのお酒の本質を伝えたくて、この時期でもあえて生酒で詰めて貰うことにしました。生酒ですと管理はとっても大変なのですが、出来立てのお酒本来の味を楽しめるのです。また生酒ならではの変化も楽しめますので、お客さんにとっては別の一面も見ることが出来るお酒です。

 同じ蔵でも酵母が違うだけで、これだけタイプが異なってくるのも面白いなと感じます。(もちろん大きな流れの中にはいるのですが)しかも同じ酒母を2本のンクに分けるのですが、その味がタンクで違いが出ることなど、日本酒は微生物が
醸すお酒なので、まったく同じものが出来ることはあり得ないのです。