「瀧自慢へ行く」2000/04/10(第5回)

3月13日(日曜日)ホテルで朝食をとったのち近畿鉄道の名古屋駅から9時すぎの特急電車で約1時間30分で瀧自慢のある名張市に到着しますが、名張駅でつぎに普通電車に乗り換えて一駅で目的地の「赤目口」に着きます。

駅前の閑散とした通りを歩いていくと5分で蔵にたどりつきます。早速、杉本さんと挨拶をして今年の造りや今後の山田錦をはじめとする酒米に関することをお伺いしました。
今年の造りについていえば米が良くなかった割には良いお酒が出来たとのことです。
その言葉どうりで、きき酒をした感想はc/pの高い素晴らしいお酒に仕上がっています。
特に大吟醸は香りもあり味もまとまっていて少し控えめながら良いお酒になっていますので今年の鑑評会でも金賞が取れると思われます。

酒米については、やはり高級酒の販売不振や廃業するところも出てきたので地元の山田錦も余ってきているけど価格は下がっていないとのことですが、これは依頼して山田錦を造ってもらっているということで、なかなか難しい問題です。この問題をクリアーしないことには、外国産のお米を使うところが増えてきそうです。

その後、蔵の中を案内していただいたのですが、基本的なレイアウトなどは変わっていません。
仕込はあくまで小仕込にこだわり、麹ももちろん手づくりの基本方針はそのままですが変わったところといえば、麹室や冷蔵庫などそれぞれ増築しています。まず麹室ですが、これは500石の造りのものと思えないほど広々としています。普通酒用、中吟醸用、大吟醸用と3室に別れていますが、こういうところで蔵の姿勢を計り知ることができます。そして冷蔵庫、すべてのお酒を瓶詰めして冷蔵庫にて囲うためフォークリフトでも入れるようにした25坪はあろうかと思われる巨大なものです。こんな所を見習ってほしい蔵元さんはたくさんあります。

このように充実した設備の蔵で良いお酒ができない訳がありません。名前は知られていないけれど良いお酒を造っている蔵元さんはたくさんありますので、一部メディアに取り上げられるお酒ばかりを珍重するのではなく自分の感性でこれだと思えるお酒を見つけることが本当の意味での地酒ファンではないでしょうか?話がそれました。約2時間、勉強になりましたしいろいろ考えさせられた瀧自慢への訪問でした。帰りは名張駅まで杉本さんに送っていただき13時30分頃の名古屋行きで帰りました。

次号は「黒木本店へ行く」乞うご期待!!