「浜嶋酒造仕込中」2001/02/12(第13回)

 今回は私一人ではなく当店のお客さんも同行したいということになりましたので、大分インターに午前8時集合で連絡を取り合いました。メンバーは福岡市在住の測定器メーカー勤務のY氏、大分市在住国家公務員のHさん、農協系金融機関にお勤めで大分市在住のNさん(これだけ書けばわかる人も多いかな)の私を含めて4人です。

 ところがY氏とHさんは時間通りに現れたのですが、Nさんが来ません。携帯に電話を入れても留守電になっていて繋がりません。運転中なのでドライブモードにしてるんだろうと思い、さらに待つこと30分いくらなんでも遅すぎるので、仕方なく自宅の電話番号にかけるとお母さんらしき人が出ましたので「Nさんいらっしゃいますか」と聞くと、「ちょっと、お待ち下さい」と・・えっ、もしかして・・そう彼女はまだ夢の中でした。まだ目の覚めきらない彼女に「とりあえず今日は3人で行くから」という言葉を残し電話を切りました。

 いきなりの出遅れフライング!!約束の午前9時着は不可能・・まぁ〜いっか、焦ってもどうしようもないし。30分遅れの9時30分頃、蔵に着きましたら案の定すでに「甑」の米は掘り出され蔵の通路で「自然放冷」されていました。

 布の上に広げられた「蒸し米」を揉みながら設定した温度まで冷やしていくのですが(今年のように寒い年は良いけど暖冬の年は大変です。設定温度まで下がらない時はタンクの中に氷を入れて調整します)予定の温度まで下がったので浜嶋専務の合図で仕込タンクに入れてゆきます。「蒸し米」が全部はいったところで「櫂」をいれますが、この作業が見た目よりずっと重労働でして30分ぐらい「櫂」で中の「蒸し米」が均一になるように撹拌します。この作業を3人ともさせていただきました。「甑倒し」ですので、これが最後の「留仕込」になりますが、蔵の仕事はまだまだ続きます。

 この日「留仕込」をしたのは7号酵母の普通純米酒です。これは25日ほど経過して上槽を迎えますが、これを「皆造」(かいぞう)と言いまして蔵人さんと一緒にお祝します。蔵では今から大吟醸、純米吟醸、辛口本醸造、純米酒と「上槽」が控えていますので、気の抜けない日々が続きます。

 そしてお待ちかねの試飲タイムです。とりあえず上槽後「滓引き」が終わり「濾過」する前の特別純米酒が3本ありましたので仕入れ目的の試飲をさせていただきました。「今年は米がとけすぎて」という浜嶋専務の言葉がありましたので不安でしたが、酒質はかなり安定してきて浜嶋専務の努力がうかがわれます。

 私は2番目に試飲したタンクを選びました。詳しい話は企業秘密になりますのでお買い上げいただいた方のみ、その理由をご説明いたします。入荷時期は未定ですので、入荷しましたら再度ご案内いたします。

 その後、喫茶室に通されまして、きれいな奥さんの煎れてくれたお茶をいただいて浜嶋酒造をあとにしました。

 PS 仕入れ予定の特別純米酒は、奥深い味のきれいなお酒です。