「土井酒造場」2001/04/27(第16回) 愛知県の「義侠 山忠本家酒造」にお伺いした翌日の3月26日は、静岡県の「開運 土井酒造場」を訪ねました。前日の蒸し暑い天気とは変わって雨もあがり、さわやかな風の吹く気持ちの良い1日となりました。 JR名古屋駅より新幹線(こだま号)で1時間程で最寄り駅の「掛川」に到着しました。タクシーで行くのですが、駅のタクシー乗り場にはたくさんの人が待っていましたので、20分程並んでやっと乗ることができました。「開運 土井酒造場」の蔵にはタクシーで約20分ぐらいでかかります。小高い山のふもとにある蔵に到着したのは10時30分ごろでした。 蔵の前の桜のつぼみは今にも咲かんばかりに大きくふくらんでいました。そこに杜氏の「波瀬正吉」さんがいらっしゃいましたのでご挨拶すると「土井社長は前にある製品倉庫にいますよ。」とおっしゃったのでそちらに向かうと土井社長が仕事をしていらっしゃいました。ご挨拶をすませると蔵の奥にある母屋にご案内いただきお茶をいただきました。 その後、蔵を案内していただきましたが以前と大きく変わった所はないのですが、少しづつの改善は行われているようです。まず精米機が最新のコンピュータ制御型の物が入っていました。そして洗米機、これは静岡の工業試験場と土井酒造場さんとで共同開発したもので米ぬかを残すことなく洗米できる「すぐれもの」です。1分間に600リットルの水を使用しますが、この洗米機と限定給水によって酒質が大幅に向上したとの事です。 それから、釜場、麹室、もと場、仕込蔵と案内していただきまして奥の方に行くとコンクリートの大きな箱が現れました。社長が横の階段を上っていくので、ついて行くとそれは廃水処理施設でした。先ほども書きましたように酒蔵では大量の水を使用しますが、汚れた水をそのまま流すのではなくバクテリアを利用して綺麗な水にして放水するという社長の環境に配慮する心に感動しました。 蔵のある建物と水路を挟んだ向い側にある火入や瓶詰めをする建物を見学した後、製品倉庫の方に行くとその建物自体が冷蔵庫になっていました。ここでは品質の高い物は「瓶囲い」と言ってすべて一升瓶や斗瓶で貯蔵していました。ここでもう一つ驚いたのはラベルを張るのもこの冷蔵庫の中で行っていました。普通は出荷の時に冷蔵庫から出して結露がとれたらラベルを張りますが、それを冷蔵庫の中でするとは・・ラベル張り担当の人が防寒着を着て仕事をしていましたので、なんとなく申し訳ない気持ちになりました。 その冷蔵庫に入り切らないお酒は貨車のコンテナを利用した冷蔵庫に入っていましたが、マイナス7度〜8度に設定されたその中には今年搾られたばかりの「波瀬正吉」になる大吟醸や純米大吟醸の「斗瓶囲い」が所狭しと一升瓶で積み上げられていました。 その中の数種類を持って母屋の方に帰りました。いよいよ待ちに待った試飲タイムです。数種類並んだ中から好みの物を選んで注文したことは言うまでもありません。今年の「波瀬正吉」は私が責任を持って選んだ「純米大吟醸の斗瓶囲い」でうので、みなさんも機会があればご賞味ください。ただし「斗瓶番号違い(2種類)」で12本のみですのでお早めに!! お昼をごちそうになって2時頃蔵を後にしました。帰り際、土井社長が写真を撮って下さいました。「土井社長、大変お世話になりました。」 次回は「醴泉 玉泉堂酒造」に行く!!です。 |