「尾澤酒造に行く」2004/2/25(第41回)

 今年に入ってお取引をお願いした「尾澤酒造場」(長野県 信州新町)に行ってきました。毎年この時期はバースデー特割を使ってなるべく遠くの蔵に行きますが今年も使わなきゃ損だとばかりに一泊二日で往復できる場所で、通常運賃が高いところ(片道3万円往復割引でも5,5万円)それに、ぜひ行ってみたい蔵元ということで「尾澤酒造場」に決めました。

 ここでお断りしておきますが、お取引を開始したのに「新商品」としてのご案内がないので、不審に思われるかも知れませんが、お酒は現在うちの冷蔵庫で熟成中ですので「飲み頃」になりましたら、みなさまにご紹介いたします。この理由は、あとで詳しく書きます。

 福岡空港を12:10の便ですので宇佐駅を9:50ごろの電車で博多駅に向かい、地下鉄に乗り換えて福岡空港に11:30ごろ到着し、チェックインカウンターへ・・そこでとんでもないことに・先日来のエンジン故障と点検のため機種が変更になりその為に時間も変更になっていたのです。「お客様には何度もお電話を差し上げたのですが」という女性の言葉にハッと気が付きました。そういえば最近03-xxxx-xxから執拗に電話が来ていたな・・まさか?そうなんです。私は最近変な電話が多いので知らない番号からの電話には出ないようにしていました。また悪いことに携帯の番号しか相手に知らせていなかったのです。

 変更後の時間は14:15発で、しかもプロペラ機に変わったため到着時間も15分ほど余計にかかるため15;50となっていましたので、これには困ってしまいました。先方には今日お伺いすると言ってましたので、キャンセルすることも出来ず、レンタカー会社にも連絡して時間を下げてもらいました。それよりも宿が困りました。時間的に余裕があると思って信州の鎌倉と言われる「別所温泉」に予約していたので、そこをキャンセルして松本市内の浅間温泉に予約を取ってもらいました。

 松本空港に到着後、すぐにレンタカーを借りて塩尻北インターから長野自動車道に乗り、豊科インターまで行きます。そこからは国道19号をひたすら北上します。明科町を過ぎ、生坂村に入る頃には道路の両側に雪が・・・1時間ちょっとで目指す信州新町に着きました。どの辺りだろうと周囲を伺いつつ、あるコンビニに停めて蔵元さんに電話を入れてみると、なんとその隣でして、しかもそのコンビニは自分の所で経営しているとのことでした。

 蔵に到着すると社長の尾澤俊昭さんと奥様で杜氏の尾澤美由紀さんが、すぐに迎えに出ていただき、ご挨拶をすませると、すぐに事務所に通していただきました。蔵の現状や先日送っていただいたお酒のことなどお話ししてから、蔵を案内してもらいました。蔵は近代設備を整えた立派なもので、なんでも煙突が壊れた時に、貯蔵蔵だけを残して、すべてやりかえたそうです。この蔵の設備なら2000石は楽に造れるだろうと思われるような建物でした。ところが昨年は30石、今年は増えて50石しか造っていないそうです。平成11年12年13年と3年間蔵を休んで、昨年から杜氏の美由紀さん、社長、お手伝いの女性の3人で再び造り始めたそうです。

 「このくらいの製造量では生活できないでしょう?」と尋ねると、隣の7イレブンで生計をたててるとのことです。その為社長の俊昭さんや美由紀さんも店番をするかたわら、お酒造りもやってるということでした。しかし志は高く「真の地酒」を目指して「米作り」から取り組んでいらっしゃいます。

 ここで「酒質の話」になりますが、何故いま販売できないかというと、この蔵のお酒は、もともと酸度が高く(平均2以上)そのため春先から夏ごろまでは、酸が突出して感じるので、それが落ち着く秋以降に販売いたします。蔵元曰く、この高い数値の酸がきれいに変わっていくそうですので、いまから非常に楽しみです。

 お暇しようとすると、夕食でも一緒にとお誘いをいただきましたが、雪は降り出すし暗くなってきましたので、慣れない雪道を運転する自信がありませんでしたので、丁重にお断りして宿に向かいました。翌日の飛行機も14:55発の予定時間が繰り上がっていまして、11:55発となっていましたので、どこも見物する暇もなく、
松本空港に行きました。結局、滞在時間が5時間20分も減って、やりきれない旅行となりましたが、蔵元さんがいい人だったので良しとしましょう。