「島岡酒造に行く」2005/6/25(第54回)

 4月24日東京に所用がありましたので、翌日の25日に「群馬泉」の島岡酒造さんの所にお伺いいたしました。ここ数年東京近辺に用事がなく、ずいぶんご無沙汰してしまいましたので、いつお邪魔したか思い出せないくらいです。

 その前にちょっと寄り道を・・・東京には学校を出て2年間ほどいましたが、浅草界隈に来ることは皆無でしたので、お上りさんよろしく「雷門」や「浅草寺」に初めてお参りして来ましたが、平日の朝ということもあり、人通りもまばらで、浅草寺手前にある保育園に通う子供やお母さん達が、ちらほらいるくらいでした。前日通りかかった時は観光客でかなり賑わっていましたので、寄らずに通り過ぎました。

 お参りが終わって、歩いてすぐの東武線の浅草駅から蔵元のある群馬県太田市に向かうべく8時50分発の「りょうもう号」に乗りました。時間にして1時間20分、停車駅でわずか5駅で到着します。文庫本1冊読んでしまう時間もありません。

 驚いたことに太田駅は、高架化されホームが2階になっていました。ホームを降りて改札口で切符を渡そうとして、切符を車中に忘れたことを思い出し、駅員さんに「○号車の○○番に乗っていたのですが、切符を忘れました」というと、そのまま通してくれました。やさしい駅員さんありがとう!!

 太田駅を出て、ロータリーの所まで行くと、社長自ら迎えに来ていただいていました。数年ぶりにお会いする顔は、白髪が少し増えたもののほとんど変わっていらっしゃいませんでした。駅から蔵のある由良町までは、市の中心部から西へ3kmぐらいで、車なら10分程度です。

 蔵に到着すると、会長(社長のお兄様)の奥様や専務(会長のご子息)の奥様にお出迎えいただきました。ご挨拶もそこそこに蔵を案内していただきましたが、数年前の落雷によって、一部が焼けたということでした。幸い甑のある蔵の二階部分だけでしたので、仕込藏には延焼せずに済んだということでした。

 蔵の一番の変更点は、仕込蔵の西側部分に藏から直接降りて行ける地下式の定温貯蔵庫を新設したことでした。ここは、火入れしたお酒を熟成させるための部屋で一升瓶で数千本も貯蔵可能なコンクリート製の施設です。敢えて冷蔵設備は入れないところに蔵のこだわりが現れています。

 というのも「群馬泉」のお酒は、硬水で仕込まれたごついお酒ですので、じっくり時間をかけて熟成させなければ、なかなか飲み頃になりません。ですから冷蔵設備のある部屋では、なおさら熟成に時間がかかってしまういう訳なのです。

 今回も蔵と蔵の間に無造作に置いている「純米大吟醸」を昭和47年のものから数種類飲ませていただきましたが、どのお酒もとってもおいしくてビックリしてしまいました。試験的とはいえ、大吟醸を常温で置いていても旨く熟成するお酒の力強さに脱帽です。

 蔵をご案内していただく途中に、初めてお会いした専務も一緒に客間に戻り、さきほどの「純米大吟醸 熟成酒」をはじめとして、今年造った「淡緑」などを食事をしながら堪能させていただきましたが、あらためて「群馬泉」の奥深さや食事との相性の良さを認識させられました。

 時間が過ぎるのも忘れるほど楽しい時間をすごさせて頂きましたが、15時01分発の浅草行きのりょうもう号に乗るために、太田駅まで専務に送っていただき、大分での酒の会を約束してお別れしました。

 会長をはじめ蔵の皆様には大変お世話になり、ありがとうございました。
秋には必ず、「群馬泉を楽しむ会」を開催いたしますので、ご来県ください。
よろしくお願いいたします。