「山忠本家酒造に行く」2006/5/10(第58回)

 毎年ですと3月の第1日曜日と決まっているはずの「利き酒」が、今年はどういう訳か3月3日の金曜日となってしまいました。

 え〜っ!金曜日は配達があるから困るんだよね。社長にお聞きすると平日が良いという意見があってこの日に決まったそうである。基本的に日曜日を定休日とする酒屋さんが多いはずだから、日曜日だと出かけやすいのだが・・・

 愚痴をこぼしても仕方ない。この日と決まった以上日程を調整しなくては・・・金曜日の配達を木曜日にずらして、金、土、日の3日間を出張の為に空けることにした。(配達日をずらすと注文が少なくなるのよね、何故か)

 9時半の中部国際空港行きの飛行機に乗るべく9時に家を出る。絶対混雑することがないので、空港までは30分もみれば充分だ。田舎の特権とでも言おうか、大分市なら最低1時間はみなくてはいけないところだがその半分で済む。(田舎自慢しても仕方ないが)

 約1時間のフライトで愛知県まで行けるのだから便利なものだ。途中紀伊半島上空を横切ったのだが、うちも田舎だけれど田舎様が違う。ほとんど民家など見当たらない急峻な山々と、それこそ隣の漁港に行くにはどうやって行けばいいの?と言いたくなるような山が背後まで押し寄せた猫の額ほどの平地。大分の方がずっと良いわと妙な優越感に浸った風景だった。

 空港に着くといつもなら35分で名古屋まで行く特急に乗るところをさして急ぐ必要もなかったので、急行に乗ってみると時間のかかること・・1時間以上かかってようやく名鉄名古屋駅に到着する。(これなら350円払ってでもミューチケットを買って特急で行くのが正解ですね)とりあえず、ホテルに荷物を預けて再び名鉄弥富線で日比野の駅まで電車に揺られる事40分、そこから徒歩で5分でやっと田んぼの中の蔵に到着。会議室で社長に挨拶をすませて雑談していると話題は「はせがわ酒店」さんの表参道ヒルズへの出店で持ちきりである。

 その後利き酒をするため蔵へ向かう。今回蔵を訪れての印象は外観は変化なし。内部はタンクなど入れ替えて設備投資をしたようだが、酒質にどのように反映されるか楽しみだ。今回試飲見本として出されたお酒は60%特別栽培米1本、50%が特別栽培米を含めて4本、40%が特別栽培米を含めて6本、そして30%が2本の全部で13種類を利き酒する訳なのだが、これだけあると本当に大変で、それに蔵の気温が低く、品温も10℃以下なので比較するのがかなり難しい。結局60%、50%、40%、30%と1本ずつ指定した。品質が安定してきた分、どれをとっても安心なのだが、逆におもしろくない。もっとインパクトのあるお酒が欲しいと思った。そういう意味では前杜氏の佐藤さんは楽しませてくれた。

 その後、懇親会を名古屋市内で開催したので会場に全員集合して、大いにお酒談義に花を咲かせました。ちょうどその日が山田社長の誕生日という事もあり、遅くまで盛り上がり最終的に社長と「はせがわ酒店」長谷川さんの3人で日付が変わるまでご一緒させていただきました。