「安心院葡萄酒工房」2006/10/10(第64回)

 9月25日にうちの店から40分ほど行ったところにある、三和酒類が経営する安心院(あじむ)葡萄酒工房にワインの仕込の見学に行ってきました。ここは安心院町の下毛という地区の中でも茅場という高台にあり、ワインの仕込藏、貯蔵庫とそして販売所(試飲可)があります。また向かいには、経営者は違いますがレストランもあり、とってもきれいな公園のような雰囲気を醸し出しています。

 当日は営業の松本さんと製造の古屋さんが、つきっきりでご案内してくださいました。事前にワインの仕込がある日を連絡していただき、それに合わせてお伺いしたのですが、なにせワインの仕込を見るのは初めてでして、見るものすべてが新鮮でした。

 その日は「カベルネ・ソーヴィニヨン」という赤ワイン用のぶどう品種を仕込んでいました。驚いたのは、ワイン用ぶどう品種は粒が思っていた以上に小さいということでした。食用のぶどうを見慣れているせいか、こんなに小さくて良いの?という感じです。

 ちょうど仕込が始まる時間でしたので、早速見学させていただきました。当日の朝収穫されたぶどうは10kg単位でコンテナに入っていまして、それを除梗する機械で実だけを取って、ポンプで1,000lくらいの醗酵用の開放型(鍋の取っ手がないような形)木樽に入れます。そこで1週間ほど醗酵させて、大きなステンレスタンクや小さなオーク樽に入れて醗酵と長期間の熟成に移ります。

 その醗酵中の小さなオーク樽から直接すくって、ワインを飲ませていただきましたが、早い段階のものはまさに「ぶどうジュース」で、その次の樽のものは、だんだん甘味が消えてアルコールが高くなっていまして、糖分が酵母によってアルコールと二酸化炭素に変換していったのが良く解りました。

 その後、ブランデーやマール(ぶどうの搾り滓を醗酵させて蒸留したもの)を造るための蒸留器などを見せていただき、貯蔵庫に向かいました。ここは半地下式になっていまして、一年を通して極端な温度変化がないような構造でした。ここではタンクや樽での貯蔵が終えたワインを瓶に詰めて貯蔵していました。それと一部はオーク樽があり、そこでは特別なワインが樽熟成中でした。その特別なメルローというぶどうを使ったワイン(わずか一樽のみなので販売はしないということでした)を飲ませていただきましたが、本当においしくて国産ワインもつくづく凄いと感じました。

 お昼ご飯を向かい側のレストランで済ませてから、今度は仕込藏の横にあるぶどう畑に行って実際にマスカット・ベリー A の収穫を手伝ったりしました。畑ではぶどうの樹に雨がかからないようにビニールで覆いをかぶせたりしていまして、とっても手を掛けているのが良くわかります。

 そして最後に販売スペースで試飲をさせていただきました。ここはワイングッズも充実していまして、フランスはラギュヨールのソミリエナイフやオーストリアはリーデルのワイングラスなども販売していました。

 今回の見学で国産ワインの実力を改めて再認識させられたことと、ここのぶどうの木が年数を経たらどんなワインが出来るのかという期待が印象に残ったワイナリーツアーでした。

 松本さん、古屋さんをはじめ、ソムリエの内野さん他スタッフのみなさん、大変
お世話になり、ありがとうございました。