「松瀬酒造」 2009/4/10(第93回)

<滋賀県竜王町>
 まだまだ寒さの厳しい2月20日に滋賀県の松瀬酒造さんに向かいました。朝8時半ごろ家を出たのですが時間を勘違いしていまして、通常ですと駅まで20分以上かかるところを15分ほどで到着してギリギリ特急電車に間に合いました。(マジで焦りましたよ)

 8時47分宇佐駅発で9時37分小倉駅着、そこから新幹線で9時47分小倉駅発12時14分京都駅着です。さらにJR線に乗り換えて、13時02分に松瀬酒造さんの最寄り駅近江八幡に到着です。新幹線の乗車時間は実質2時間半かかりませんのでとても近い感じがしました。

 駅には松瀬さんが迎えに来ていただきました。車に乗り込み、まずお昼ご飯をと言うので日牟禮庵(ひむれあん)という蕎麦屋さんに行きました。ここは、旧近江商人の屋敷だった建物を利用した、関西では珍しい本格的なそばが楽しめると評判のお店です。ここでお蕎麦をご馳走になった後、「たねや」さんという老舗和菓子屋さんが経営する「クラブハリエ日牟禮館」でコーヒーをいただきました。焼きたてのバームクーヘンが食べられることで有名らしく、土曜日でしたので店内は相当混雑していました。


 我々はそんな喧噪から逃れるように竜王町の蔵に戻りました。近江八幡の駅からは10分ほどしかからないのですが、まわりに田園風景が広がるのどかで静かな場所です。まず母屋に通されて奥様に挨拶してお茶をいただきました。一昨年新築された建物は和風庭園とマッチした純和風のすばらしい家屋です。

 それから蔵を案内していただきましたが、今年は設備などあたらずに仕込方法などを改善したとのことです。蔵の中では甑倒しを数日後に控えて順調に酒造りが続いていました。私が行った時は、ちょうど純米大吟醸黒ラベルの斗瓶取りをしている最中でした。袋吊りのタンクのまわりは芳香が立ち鼻腔を刺激します。きっと素晴らしいお酒になったことでしょう。


 一通り蔵の中を見て回った後で試飲です。純米酒を中心に今年のお酒を利きました。試飲した結果、特に気に入ったお酒は「山廃純米生原酒」でした。しっかりした酸味と旨味が高次元でバランスを保ち、今飲んで旨い酒だと直感しました。それと今美味しいと思ったのが「純米吟醸ブルー」です。このお酒地元竜王産の契約栽培の山田錦を使用していまして「環境こだわり農産物認証」なるものに認定されているそうです。(詳細は判りません)今年の純米吟醸クラスの中では最も早く飲めて綺麗なお酒だと思いました。

 松瀬さん曰く、今年の造りから中吟までの商品では、味わいが硬すぎない様に(つまり熟成させなくても早く飲めるように)昨年との違いが出せるよう麹造りに少し手を加え、味わい深く後味(キレ)の良いお酒になっているとのことです。私も今年の酒は全般的に早く飲めそうな感じがしました。(昨年は特に米が硬くて融けなかったため、味の乗りが悪かったようです)


 研究熱心な松瀬さんと話をしていると時間の経つのも忘れて、いつしか5時近くになろうとしていました。夕方から会合があるとのことでしたが、駅まで送っていただきそこで別れました。  松瀬さん、本当にお世話になりました。