「廣木酒造本店」 2009/6/25(第98回)

 途中、寄り道などして前置きが長くなりまして申し訳ございません。会津坂下の街中で国道49号線を旧道に少し入ったところに廣木酒造本店さんはあります。この日は朝から、山形の庄内地方や大内宿まで足を延ばしたので、4月12日の夕方やっとお邪魔することが出来ました。(もともと5時頃の約束でしたが)いやぁ、1日中よく走ったものです。

 まず座敷に通されてしばらくの間、廣木さんと雑談していました。「豊潤」や「鷹来屋」など大分の話題も出ていろいろ聞いていただきました。また製造石数(出荷量)の話になった時、興味深かったのは100点のお酒を2?3本だけ造るのは簡単だけど、80点のお酒を期間中造り続けるのは大変なことだと話したのがとても印象的でした。造りの期間が長いので、検証しながら修正していけるという強みがあるので、常に高いレベルのお酒が造れるということらしいのですが、非常に重みのある言葉でした。
 
 確かに廣木さんの所では、10月から仕込に入り、甑倒しが5月で皆造は6月になるということでしたので、酒造りに拘わっていないのは7・8・9月の3ヶ月だけだそうです。その証拠にこの時期でも通路には酒米がうずたかく積み上げられていまして、まだまだ仕込が続いていました。全ての仕込タンクはの空きもなく最盛期の様相です。


 その後、蔵に導入された設備を見せてもらうことにしました。仕込藏では放冷機やコンピュータ制御の槽(ふね)が新設されていましたが、この槽が優れもので、以前ですと夜中に圧力の制御などをしなければならなかったのが、全自動で無段階に加圧できるので、機械に任せっぱなしで済むようになったということでした。また仕込藏と道路を隔てた所にある建物では、瓶詰めラインや冷蔵庫も新設されていました。

 廣木さん曰く、80点のお酒を造り続けることによって、将来設備投資が充分出来る体力を持ち、さらに高品質のお酒造りを目指せるような蔵なることが今後の予定だそうです。将来のビジョンがはっきり決まっているのはさすがですね。


 夜は食事に付き合っていただけるというので、とりあえず先に会津若松市内のホテルにチェックインして廣木さんが来るのを待ちました。迎えに来ていただき今回飲みに行った所は「鶴我」というお店でして、実は会津若松は昔から「馬」を食べる習慣があり、町の名物らしいのです。その連れて行ってもらったお店で初めて馬のホルモンを8種類刺身で食べることが出来ました。他に煮込みや焼き物も出まして、珍しいやら美味しいやらで大満足でした。またこのお店ではスタッフさんが手分けをして「飛露喜 純米無濾過生原酒」をほぼ1年中販売できる量を確保しているということでした。まだ若い20代の女将さんですが、その努力には頭が下がります。

 そのお店を出た後、河岸を変えて廣木さん行きつけのバーに行って、シングルモルトウイスキーを飲みました。偶然となりに座った女の子が、廣木さんと知り合いだったことから話が弾み、なぜか写真部を作ることになって、1年後に誰が美味しそうなつまみの写真を撮ったか成果を発表することになりました。
  
 という訳で来年も会津若松にお邪魔する約束をしてしまいました。


 翌13日は、再び仙台空港まで戻りレンタカーを返却してお昼過ぎの便で中部国際空港経由にて大分に帰ってきました。午前中時間があったので、もう1軒廻れたのにと反省しながらの旅でした。

     廣木さん、ごちそうさまでした。また来年お邪魔します。


 【會津桜鍋 鶴我】 会津本店

 福島県会津若松市東栄町4-21
 電話 0242-29-4829