「高知県出張 後編」 2009/9/25(第102回)

 8月25日の朝9時ごろ、高知市内のホテルを出まして国道32号線を経由して国道55号線を再び東に向かって走ります。土佐くろしお鉄道と並行しながら昨日お邪魔した土佐しらぎくさんを通り越し、ホテルを出て1時間ほどで目的の田野町役場近くにある濱川商店さんに到着しました。

 蔵では小原営業部長(兼杜氏)が待っていてくださいました。あいにく濱川社長は所用で外出していましたので、残念ながらお会いできませんでした。前回お伺いした時は馬路村で宿泊し、あまりに盛り上がりすぎて翌日の蔵見学がほとんど出来なかったので、実に6年ぶりのまともな蔵訪問となりました。

 蔵の中では大きな変更点はありませんでしたが、冷蔵設備が前にも増して充実していました。それは「美丈夫 燗映えの酒」まで瓶火入れ瓶冷蔵貯蔵していることでも伺えます。普通ならこのクラスの本醸造はタンクで常温貯蔵するのが通例ですが、¥1890という安価な製品までもが冷蔵庫に入れられているのには、さすがに驚かされました。

 造りは最大で1000kgまでの小仕込で、現在500石ほど製造しているということでした。その他にリキュールも製造していますので、合計で650石ほどになるそうです。このくらいの造りなら、製造から貯蔵に至るまで完全に目が行き届き、充分な管理が出来るそうです。

 蔵を一通り見学させていただいた後で今年の新製品「美丈夫 777(スリーセブン)」を含めて数種類試飲させていただきました。その時に小松君が持ってきた豊潤特別純米を一緒に飲みましたが、美丈夫は冷蔵貯蔵でお酒が若くきれいな印象を受けました。一方豊潤は充分厚みがあり、旨味も乗ってまさに今からが飲み頃という感じでした。好みの違いはあれ、いずれも良いお酒だということに間違いはありません。

 小原さんは小松君が酔鯨で修行していた時に製造の責任者で3年間一緒にお酒を造ったそうです。その当時の後輩が自分で造ったお酒を持ってきたことに感慨深げな様子でした。小松君にとっては何でも相談できるいい兄貴を持ったようなものですね。

 最後に小原さんと一緒に事務所の外に出て、川沿いの仕込蔵がよく見える橋の上で記念撮影して蔵を後にしました。

 小原さんをはじめ蔵の皆さんお世話になりました。


 帰りは有名なうどん屋さんで昼食を取り、あとは八幡浜に向かってひたすら走るだけの時間でした。午前11時に蔵を出て、別府に着いたのは午後8時をまわった頃でした。長い長い高知への旅がやっと終わりました。家族へのお土産が「鰹のタタキ」だったことは言うまでもありません。同行した皆さん、お疲れ様でした。