「渡邊酒造場に行く」 2011/11/25(第125回)

 よし、行こうと思わないと行けないのが隣県でありながら、とっても遠い宮崎県です。今回は萬年の渡邊酒造場さん、松露の松露酒造さん、ここで1泊して、翌日は薩摩乃薫の田村合名さん、さつま寿の尾込商店さんと四蔵を2泊3日で南九州を廻る行程を組みました。

 1日目の走行距離は、渡邊酒造場さん経由で松露酒造さんまでが約320kmです。
しかも高速は一部しか使えませんので、とりあえず渡邊酒造場さんまでは4時間かかると覚悟していました。それで逆算するとお昼一番で伺うためには、余裕をみて8時には家を出ないと行けないのです。それに遅くとも夕方4時頃には松露さんに辿り着くためという制約もあります。

 予定通り11月2日8時に家を出ると、混雑もなく何とか時間通りに行けたので、東九州道の宮崎パーキングで時間調整して午後一番で蔵に着きました。昨年は11月4日に伺いましたので、ちょうど1年ぶりの訪問となります。

 今年の何と言っても一番大きな変化は、ひとまわり違う弟さんが酒屋の修行から帰って来て、一緒に仕事をするようになったことでしょうか。自分が造りたい焼酎もあるそうですが「まずは基本を覚えてから」と専務は厳しい杜氏さんぶりです。

 仕込は9月20日すぎに始まり、11月5日までだそうです。芋が不作で思うように手当が出来なくて、製造量も若干減るそうです。不作=芋が小ぶり=手間が増える=大変だそうです。ただ思ったよりは「タレ(アルコールの収得率)」が良く、若干は製造量の低下を補えるそうだということでした。

 それと本年度より米トレーサビリティーの影響で国産米(熊本産ヒノヒカリ)にシフトした結果、麹の出来が良くなったそうです。(麹を造るのは外米が簡単なのだそうですが、出来た麹は国産米の方が良くなったということでした)

 香りがおだやかなので、そこが気になる所と言っていましたが、もろみの温度は上がらないので管理はしやすくなったそうです。少しだけ蒸留したばかりの黒麹の原酒を飲みましたが、味も乗っていて甘みとやわらかさのバランスが良く、素晴らしい焼酎が出来上がっていました。

 短時間の訪問でしたが、昨年の造りとは何もかも変わっていた仕込でした。時間
の都合で先を急いでいたため早々にお暇しましたが、渡邊専務お世話になりました。