「田村合名と尾込商店」 2012/1/25(第127回)

 11月2日は渡邊酒造場さんと松露酒造さんにお邪魔して、夜は矢野専務親子と会食し、そのまま串間で宿泊しました。翌11月3日は。午後から尾込商店さんにお伺いするようになっていましたので、その前に何とか田村合名さんに顔を出すべく早起きして7時にホテルを出ました。

 鹿屋経由根占・山川フェリーで行くか、東九州道経由で高速を使っていくかで迷いましたが、時間的な制約の少ない高速経由で行くことにしました。(根占経由なら白玉酒造さんに顔を出さない訳にはいきませんので・・)

 ところが、お馬鹿な私は古いナビを信用せずに都城・志布志道路に乗って大回りをしてしまいました。(知らない道はナビを信じましょう反省)結局谷山インターから国道226号線まで降りたら9時になっていました。

 国道沿いのジョイフルで朝食を済ませ、さらに南下します。鰹の水揚げで有名な山川町の田村合名さんに着いたのは10時半でした。祭日なので事務所は閉まっているだろうと思ったら、予想通りお休みでした。仕方なく事務所の向かいにある蔵に行って事情(アポなし訪問)を説明したら、若い藏人さん(名前失念)が一通り案内してくださいました。オマケに帰りには黄金千貫を袋一杯持たせてくれました。

 田村さんの所は、白麹と黒麹がちょうど変わる時期でどちらのもろみも見ることが出来ました。またそれと並行して造っているかめ壺仕込のものもあり、見学するには最高の時期でした。わずかな時間でしたが、すべて見学できたので満足でした。


 次に訪問する尾込商店さんへは午後2時過ぎにお伺いすることになっていましたので、まだ11時過ぎと時間もあるので、色気を出して枕崎までお昼を食べに行くことにしました。ただ、これと行ってアテはなかったのですが、鰹でも食べたいなくらいの気軽な気持ちでしたが、コンビニの駐車場で電話をしていて目についたのは向かいの美味しそうな蕎麦屋さん。かき揚げ丼と蕎麦のセットがとても美味しかったです。

 食事を済ませてもまだ12時と時間の余裕があるものですから、またまた欲を出して「笠沙杜氏の里焼酎造り伝承展示館」(鹿児島の焼酎の杜氏さんは、ほとんど笠沙の出身者)まで行ってみようと国道226号を進みましたが、これが大誤算、とんでもない道でした。距離は30kmちょっと・・なら行ってみようかなって距離でしたが、道路は狭くてアップダウンばかりで、平均速度は30kmくらいしか出せないこれが国道かと言いたくなるような道。何とか1時間半かかって辿り着きました。

 そして「杜氏の里焼酎造り伝承展示館(酒蔵兼資料館)」で実際に仕込んでいる様子を見たり展示物を見たりして帰りました。そしたらなんとそこの杜氏さんは、芋焼酎の造りが終わったら大分に行って米焼酎を造ると聞き、なんか親近感を抱きました。

 帰りは違う道を帰らねば間に合わないと思って、半島の反対側にでる道を選んで行くと何ということでしょう海沿いまで、あっという間に着くではありませんか。こんな事なら最初から大回りして行くべきだったと、またまた反省。国道226号で南さつま市まで行き、川辺の尾込商店さんまで、走った距離は同じくらいのはずなのに1時間もかからずに到着しました。

 午後2時30分に蔵に着くと、蔵で仕事をしていた尾込さんが事務所まで降りてきましたので挨拶をすませ話をさせて貰いました。仕込みもあと少しで終わるのでホッとしているということでしたが、「旬」を選ぶのに悩んでると言っていましたね。そういう苦労もあるんだと意外な気がしました。

 今年の原料芋は、宮崎県や大隅半島の方は不作だったらしいのですが、薩摩半島は若干例年に比べると小さいものの平年作並みに取れたそうです。なので原料不足による減産はなかったそうです。それよりも貯蔵酒が増えすぎたのでわずかですが製造石数を減らしたそうです。

 蔵の中では大きな変更点はなく、従来通りの造りをしていると言うことでした。そこで蒸留したての白麹を舐めさせてもらいましたが、旨いのなんのって。これが「旬」として発売されると思うと興奮してきました。どうも私は黒麹よりも白麹の方が好きなようです。甘みと膨らみのある味わいは白麹の得意とするところです。 旬が季節商品なので、さつま寿以外にアイテムが欲しいとお願いしたら黒麹仕込長期貯蔵の神座(かみくら)を翌月から定番として、出荷してくれるということになりました。お陰様で順調に入荷販売しています。

 まだお話ししたいこともあったのですが、あまり長々と居て、仕事の邪魔をするのも申し訳ないのでそこそこに切り上げて尾込商店を後にしました。