「浜嶋酒造」 2012/2/10(第128回)

 2月3日(金)に今年の鷹来屋特別純米 田染荘オリジナルおりがらみ」を決めるために、豊後大野市緒方町にある鷹来屋さんにお伺いしました。大分県内でも端っこから端っこと,最も遠い蔵元のひとつです。大分自動車道・中九州自動車道を使っても1時間半ほどかかります。

 お店(小売もしています)で挨拶を済ませ、裏にある蔵に向かうと新人さんの姿が・・何でもフランス帰りだそうでワインも詳しいということでした。残念ながら昨年までいた元気の良い若者はいなくなっていました。

 今年は寒さが厳しくて、酒造りには適しているということでした。浜嶋社長が麹室に麹の手入れに入るというので、勝手に蔵内を見学していましたら、ちょうど槽に酒袋を積んでいましたが、とても寒そうでした。あとは枯らし中の麹や酒母のタンク・仕込タンクなどを覗いて事務所横にある喫茶スペースに戻りました。

 おおむね今年の造りも順調なようで一安心です。さてここからが私の仕事で4本の特別純米のタンクからうちのオリジナルを選ばないといけません。昨年のようにバラツキがあると選びやすいのですが、今年はどれも合格点に達していたので悩みに悩みました。

 結局全部で6本のタンクを利き酒したのですが、1本は純米吟醸若水、もう1本は酵母違いの辛口タイプなので、この2本は参考として利いただけです。品音が低いので手で暖めながら数回に分けて試飲した結果、やっと1本のタンクに決まりました。滓がからんだ状態で出荷してもらいますので、そこを考慮しながら選びました。

 今月末までには,出荷していただきますのでご期待下さい。ちなみにスペックは麹米・山田錦、掛米・レイホウの55%精米、日本酒度+6、酸度1,5くらいでした。昨年のおりがらみよりは旨口に仕上がりました。

 今年の傾向としては米がやわらかいので、必要以上に溶かさないようにしないといけないので、造りとしては難しいそうです。米が融けてしまうと雑味が出すぎて重たいお酒になります。アル添のお酒ならそれでも良いのですが、純米でそういうことになると重たくて飲めないようなお酒になります。そのあたりがお酒造りの妙ですね。

 お茶やコーヒー・お茶菓子をご馳走になって酔いを覚ましてお店を出ました。

         浜嶋社長・奥様、大変お世話になりました。