「松瀬酒造」へ行く 2012/3/25(第131回)

 3月2日金曜日お昼前に松瀬酒造さんに行くために大分空港へと向かいました。大分空港12時30分発、大阪伊丹空港行きに乗り、そこからは京都までリムジンバスで移動です。これが楽ちんでとっても良かった。JRだと乗り換えたり、歩き回らないといけないので、少しくらい割高でもこちらの方が良いですね。京都から琵琶湖線で近江八幡まで、すべて順調に移動できて、予定時刻通り15時33分に近江八幡駅に到着しました。そこからは酒屋の友人に迎えに来てもらっていましたので、一緒に蔵のある竜王町まで行きました。

 蔵では松瀬社長と石田杜氏が待っていてくださいました。母屋に通されてお茶をいただいた後に、蔵で石田杜氏に今期の酒造りやいろんな話をさせていただきました。昔の瀬戸杜氏とはほとんどお話しできなかったので、実際に造りをしている人と話が出来るのは嬉しい限りです。

 石田杜氏と話をしていて面白かったのは、九州の麹の造り方と、この藏ではずいぶん違いがあると言っていました。なるほど、酒質から判断してもその通りだと思いました。九州の場合は、普通純米酒クラスは味を出すために総破精(そうはぜ)に近い麹造りをするのですが、この藏では突破精(つきはぜ)といって、吟醸造りの麹造りで行っているそうです。

 それと「生もと造り」の話で、ステンレスタンクより木桶の方が醗酵がスムースで良いという話は、聞いていてとっても面白い話だと感心しました。松の司の場合「生もと仕込」は酵母無添加なので、木桶との相性がよいという事もわかってきたそうです。


 精米にしても(普通このくらいの製造量の蔵では自家精米しない)その後の貯蔵方法を変更した事によって、米の調湿が上手に出来るようになったという事でした。その精米所を見学させて貰い、実際どうやっているかを見せて貰いました。

 そして最後に試飲です。今年のお酒も出来が良くって、どれも美味しかったのですが、一番のお気に入りは「生もと純米生原酒」でした。味に深みがあり、かと言って重すぎず、しかもキレが良くって食中のお酒にはもってこいだと思いました。

 最近感じていた事ですが、以前のようにインパクトのあるお酒ではなく、上品なお酒に(別の言葉に言い換えると「おとなしい」)なったなと思いました。前杜氏のお酒は、わかりやすい反面、アルコールが目立っていましたが、今はそんな事もありません。松瀬社長に尋ねるとそういうお酒を目指しているという事でしたので私の感覚は間違っていないなと自信を持ちました。


 夜は4人で鴨鍋をいただきましたが、これがまた美味しかった。街からちょっと離れた住宅街の中にポツンと1軒だけあるお店なのですが、凄い繁盛店のようで、満席でした。流行っているお店にはそれなりの理由があるようです。


         松瀬社長、大変お世話になりました。